日本が新幹線の技術を売り込んできたアメリカ・フロリダ州の高速鉄道計画について、州の最高裁判所は「採算が合わないため白紙にする」とした地元の知事の決定を撤回するよう求める訴えを却下し、計画復活の望みは、事実上、絶たれた形となりました。
アメリカ・フロリダ州のスコット知事は、日本が官民挙げて新幹線の技術を売り込んできた高速鉄道計画について、先月、採算が合わないとして白紙にすると表明しました。これに対し、２人の州議会議員が今月１日、「高速鉄道計画は前の知事の下で州議会が承認したもので、知事が議会の判断を無視して計画を中止することは認められない」として、スコット知事を相手取り、決定の撤回を求める訴えを起こしていました。これについて、フロリダ州の最高裁判所は、４日、「原告の主張は、知事の決定を覆すに足る根拠がない」として、訴えを却下しました。オバマ政権は、高速鉄道網の整備を最優先課題の１つに掲げていますが、野党・共和党出身のスコット知事はこの日、ラフード運輸長官に対して、計画を白紙にする考えに変わりがないことを重ねて伝えたと明らかにし、高速鉄道計画の復活の望みは、事実上、絶たれた形となりました。
