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2011年4月4日月曜日

薬物犯、強制わいせつ犯も…被災者の不安増す 福島・仙台地検の容疑者釈放問題

容疑者の釈放は容疑内容の詳細も知らされていないため被災者の不安をさらに強めている!




東日本大震災後、警察署に勾留中の容疑者を釈放した福島、仙台両地検の対応が波紋を広げている。仙台地検は宮城県警の要請を受けて釈放に踏み切ったが、福島地検は一方的に釈放を指示しており、福島県警は強く反発している。両地検は「治安に影響はない」と強調するが、容疑内容の詳細を知らされていない被災者の不安は募る。こうした対応に、検察内部からも疑問の声が上がっている。

 ■一方的な指示

 福島県いわき市内の3署に3月15日、地検いわき支部から突然、「処分保留」を理由に次々と釈放指揮書が届いた。人数は計12人。処分が決まっていない送検済みの容疑者たちだった。

 いわき支部は、この3署のほか、福島第1原発のある大熊町など8町村を管轄する双葉署(富岡町)を受け持っている。双葉署は原発から20キロ圏内にあり、避難指示を受けて勾留中の容疑者3人を同市のいわき中央署に移送していた。

 震災後の容疑者釈放は、福島地検ではいわき支部のほか、本庁8人、郡山支部11人の計31人。仙台地検でも本庁と4支部で計27人を釈放し、3被告の勾留を取り消した。

 両地検は釈放理由について、警察官の人手不足を理由に、容疑者の安全確保や参考人聴取などの裏付け捜査が困難になったためと説明。「早急に捜査を再開し適正に処理する」とした。

 続く余震、消えない津波の危険性、福島第1原発の放射能漏れ…。江田五月法相は3月30日に衆院法務委員会で「別の刑事施設に移送する余裕はなく、釈放の理由は十分にあったと思っている」と述べた。

 ■相談すらない

 これに対し、中野寛成国家公安委員長は1日の閣議後の会見で「警察としては万全の態勢を講じてきた。容疑者の人権も考え、食事や水、余震も考慮し、できる限りのことをやった。警察側の事情もあったと一部で言われているが、これは当たらない」と述べ、検察に不快感を示した。

 福島県警関係者も「当時でも最低限の捜査態勢は維持しており、その時点で十分起訴できるだけの証拠がそろっていた容疑者もいた」と反論。「そもそも警察に相談すらなかった」と顔を紅潮させた。

 岩手県警は、甚大な被害が出た沿岸の4署に勾留していた容疑者十数人を震災直後に内陸側の署に移送している。福島県警関係者は「原発の放射能漏れの影響を考慮したとしても、釈放までせずに、勾留場所の変更で十分対応できたのではないか」と話した。

 ■検察幹部反省

 江田法相が3月30日に公表した両地検の釈放人数と罪名は、窃盗24人▽傷害9人▽覚せい剤取締法違反6人▽詐欺・業務上横領9人▽児童買春・児童ポルノ禁止法違反4人▽強制わいせつ1人▽建造物侵入4人▽道交法違反4人。裁判員裁判対象の重大事件の容疑者・被告は含まれていない。

 両地検は「釈放した容疑者はすべて軽微な犯罪で、治安に影響はない」としている。

 ただ、覚せい剤取締法違反事件の容疑者や強制わいせつ事件の容疑者は常習性があることが指摘されており、詳しい情報を持たない住民らが「軽微」と受け止めるはずはない。

 検察内部からもこの点には疑問の声が上がっている。ある中堅幹部は「覚醒剤の容疑者を放してしまうのはまずい。容疑者の情報で検察が持っているのは一部。ほとんどが警察が持っているから、その情報を把握せずに釈放するのは非常に危険な話だ」という。

 検察幹部は「一つ一つの事件を見て判断しており、住民が不安を覚えるほどの容疑者を釈放したことはない」としながらも、「心理的には不安を与えたかもしれない。反省している」と話した。

 容疑内容が知らされぬまま、「不安はない」といわれても、住民側は判断できない。

 それが不安なのだ。

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